世界危機レポート
政権のネット遮断、民主主義を求めるイラン国民の声は消えず
インターネット遮断は政権の決定的な武器となるはずだったが、政府の脆弱さと自国民への恐れの明白な象徴となっている。
![1月19日の映像で、政権治安部隊が使用するオートバイに火をつけているイランの抗議者たち。[Telegram]](/gc7/images/2026/01/21/53585-protests-370_237.webp)
Global Watch発 |
危機の悪化を抑えるため、テヘランは1月8日に国内のインターネットアクセスを遮断し、数百万人がその影響を受けている。この情報遮断措置は、権威主義的な体制がよく使うものであり、全国規模の抗議運動を孤立させ、混乱させ、鎮圧することを目的としていた。
厳しい通信制限は依然として維持されている。
この反乱は、 数十年にわたる抑圧と経済的衰退によって分裂した社会を一つにまとめた。情報封鎖にもかかわらず少しずつ流出している検証済みの映像は、政府庁舎が炎上し、公共広場が決意に満ちた群衆に占拠され、治安部隊が催涙ガスを散布し、夜通し実弾を発射するという、明白な反乱状態にある国家の厳しい現実を描き出している。
インターネットの遮断は、慌てたことによる決断ではなく戦略的なものである。NetBlocksやジョージア工科大学のインターネット障害検知・分析(IODA)プロジェクトといった監視団体は、接続環境がほぼ完全に崩壊したことを確認した。これは昨年6月のイスラエルとの12日間の戦争において練り上げられた戦術である。
この情報遮断は、弾圧の規模を外部から見えなくすること、そして抗議者が組織化し勢いを維持するための繋がりを断ち切ることを目的としている。
しかし、現場では運動の有機的な力が依然として持続している。
目撃者たちは、社会の代表的な断面として、老若男女や裕福層も労働者階級も、あらゆる人々が、目的を持って団結している様子を証言している。テヘランの高級住宅地シャフラク・ガルブ地区では、「王であれ最高指導者であれ抑圧者に死を」というスローガンが掲げられ、あらゆる形態の独裁主義に対する明確な拒絶を示している。南部の港湾都市ブシェールでは、群衆が非常に多かったため、治安部隊は戦術的撤退を余儀なくされたと報道されている。
政権の対応は根深い不確実性を露呈している。司法長官は「容赦しない」と脅し、お定まりの外国の敵を非難する一方で、高官たちは内心で途方に暮れていることを認めている。
強力な革命防衛隊(IRGC)が国内治安の完全な掌握を握る可能性があるという噂は、潜在的かつ危険な事態の悪化を示唆している。この政治的混乱は経済的圧力によってさらに悪化しており、テヘラン、タブリーズ、イスファハーンの歴史的なバザールでの商人によるストライキは、すでに制裁と通貨崩壊で悪化している経済をさらに壊滅させる恐れがある。
これまで通り、犠牲者数は増え続けている。
ノルウェーに拠点を置くIran Human Rights NGO(IHR)は、弾圧による死亡者の確認が、通信制限により依然として深刻に妨げられていると述べた。1月19日には「死亡した抗議者の数は、メディアによる最高推計である2万人を超える可能性がある」と指摘した。
Human Rights Activists News Agencyによると、確認された死亡者数は、4,029人と報じられている。
逮捕は広範囲に行われており、深夜の急襲によりインフルエンサーのアミルパルサ・ネシャト氏などの著名人も狙われている。国家はあらゆる手段を使って恐怖による抑圧を試みている。
しかし、その恐怖は効果を発揮していない。この強靭さは、大衆意識の根本的な変化を示唆している。
インターネット遮断は、情報支配と街頭支配を再確立するため政権の決定的な武器となるはずであった。
しかしむしろ、政府の脆弱さと自国民への恐怖の明白な象徴となっている。