新たな課題

苦難を覆い隠すロボットの握手

洗練されたヒューマノイドロボットが進歩を約束する一方で、急速に進むAIによる自動化は雇用を奪い、不平等を拡大させ、セーフティーネットのないまま弱い立場の労働者を取り残す可能性がある。

2026年3月2日、スペイン・バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)の展示ブースで、HONORが初のヒューマノイドロボットをライブデモンストレーションで披露した。[Charlie Pérez/NurPhoto/AFP]
2026年3月2日、スペイン・バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)の展示ブースで、HONORが初のヒューマノイドロボットをライブデモンストレーションで披露した。[Charlie Pérez/NurPhoto/AFP]

Global Watch発 |

自動化された未来の売り込みは、それを実現するとされる機械と同じように、洗練されていて脅威を感じさせない。見慣れた姿に設計されたヒューマノイドロボットは、この新しい時代のショーケースとなっている。

それらは安心感のある物語を提示している。握手できる形で現れる「進歩」だ。

雇用喪失や社会の混乱への懸念が浮上すると、答えはいつも滑らかだ。新しい仕事が生まれ、労働者は再訓練され、移行は十分に管理可能だとされる。

その自信は精査に値する。

2026年3月2日、バルセロナで撮影された写真には、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)の開幕式で披露されたHONORのロボットが写っている。[Manaure Quintero/AFP]
2026年3月2日、バルセロナで撮影された写真には、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)の開幕式で披露されたHONORのロボットが写っている。[Manaure Quintero/AFP]

ロボティクスとAIは単なる段階的な改良ではない。労働者や制度、セーフティーネットが適応するよりも速いペースで、産業全体を再編してしまう可能性があるほど加速している。

過去の技術的変化が数十年にわたり不均等に進んだことが多かったのとは異なり、今日の自動化は一般的な職業の中核となる業務そのものを対象としている。

小売店のレジ業務、倉庫での仕分け、顧客対応、データ入力――これらはニッチな仕事ではない。現代経済を支える日常的な基盤そのものだ。

その基盤が取り除かれると、「適応」は単に新しい道具を学ぶという問題ではなくなる。人にとって唯一成り立っていた生計手段を失うことを意味する場合もある。

例えば、世界的な経営コンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーは、2030年までに最大8億人の労働者が職業を変える必要に迫られる可能性があると推計している。

移行に伴う資金負担の責任

ここで重要になるのが人口動態の現実だ。多くのベビーブーマー世代やX世代の労働者は、収入が必要なため、依然として労働力として働き続けている。

同様の課題は、生産年齢人口が急速に減少する高齢化社会でも生じている。これは労働コストを押し上げるとともに、ハイテク分野への転換に必要なイノベーションを妨げる要因となっている。

退職後の保障は年金制度から確定拠出型の制度へと移行し、多くの家庭にとって、生活が揺らいだ際の余裕はほとんど残されていない。

これらの労働者は「デジタル・ネイティブ」ではない。たとえテクノロジーを使っている人であっても、自分のキャリアを作り直すための時間や柔軟性を欠いている場合がある。

再訓練が可能だと言うのは簡単だ。しかし、60歳の小売業の労働者が、いくつかの短期講座を受けただけで技術系の職業へ転身できると示唆するのは、まったく別の話である。

多くの人にとって、その主張は計画というよりもスローガンに近い。

専門家の間では、再訓練に対する懐疑的な見方も示されている。特に高齢の労働者は、AIによって変化した職種に向けて再訓練を受ける際、年齢に関連する障壁のため大きな困難に直面すると、ジュリアン・ジェイコブズは2025年5月にブルッキングス研究所に掲載された論考で指摘している。

そこで生じるのが、マーケティングではほとんど答えられない問いだ。移行にかかる費用は誰が負担するのか。

大規模な再訓練は費用がかかり、不確実で、時間もかかる。

それには、訓練を受け入れる能力、所得支援、雇用主の協力、そして訓練の先に実際の需要がある労働市場が必要となる。

一部の企業は、特に付加価値の高い職種については、研修や人材育成に投資するだろう。

しかし、民間部門だけが、しかも大規模に、高齢化し脆弱な労働力の再生を資金面で支えることを期待するのは、戦略というより賭けに近い。

人間という資産のバランスシート

自動化がもたらす人間への影響は、バランスシートにきれいに収まらないため、軽視されがちだ。

しかし、この議論を生産性の向上や株主への利益還元だけに限定することはできない。

それには、慢性的な痛みを抱えながら働く倉庫作業員、家族を支えるレジ係、そして日々の決まった仕事の中に尊厳を見いだしている発達障害のある清掃員といった人々も含めて考えなければならない。

雇用喪失のスピードが支援を上回ると、その結果は予測できる。長期失業、不安定な仕事の増加、すでに逼迫している公共サービスへのさらなる負担、そして最悪の場合にはホームレス化である。

だからといって、ロボティクスやAIが「悪い」というわけではない。

適切な場面では、それらは命を救い、危険を減らす。例えば、ドローンが生存者を捜索したり、ロボットが危険なインフラを点検したり、介護支援機器が高齢者ケアや介護者の負担を軽減したりする。

問題は規模とインセンティブだ。こうした成果によって、何百万人もの人々が生活の安定のために頼っている日常的な仕事が自動化されるリスクから目をそらしてはならない。

この記事は気に入りましたか?