戦略的課題

テヘランとモスクワの間の架け橋が破壊される

イランとロシアが、知識の共有や、専門家の養成、ミサイル・核分野における先進的な設計の適応を可能にしていた制度的メカニズムは、現在混乱している。

ソ連がナチス・ドイツに対して勝利し、1945年に終結した第二次世界大戦の80周年を記念し、ロシアは5月9日に赤の広場で大規模な軍事パレードを行った。毎年恒例の武器展示は、核保有国の力の誇示と見られている。[Ulf Mauder/dpa Picture-Alliance via AFP]
ソ連がナチス・ドイツに対して勝利し、1945年に終結した第二次世界大戦の80周年を記念し、ロシアは5月9日に赤の広場で大規模な軍事パレードを行った。毎年恒例の武器展示は、核保有国の力の誇示と見られている。[Ulf Mauder/dpa Picture-Alliance via AFP]

Global Watch発 |

ロシアとイランのミサイルと核のパートナーシップ は、かつては武器協定だけでなく、深い学術交流の上に成り立っていた。ロシアで教育を受けた科学者がイランの研究機関で働き、イランの大学はロシアの大学と共同研究、研修、技術移転で協力していた。その脆い架け橋は今、崩壊しつつある。

学術の架け橋は架けられ、崩壊した

1990年代初頭から、イランの学者と学生はロシアの工科大学に体系的に統合された。ブシェール核プロジェクトと結びついたロシアとイランの協定を通じて、イランの学生たちはモスクワ工学物理研究所などの教育機関で研修を受けた。長年にわたり、数百人がモスクワ大学、バウマンモスクワ国立工科大学、モスクワ航空工科大学(MATI)において、核工学からミサイル誘導システムまで、イランの国内ミサイル・核開発計画の種となる知識の分野で上級学位を取得した。

2023年から2025年にかけて、両国の大学間で相次いで覚書が交わされ、協力関係が拡大した。シラーズ大学とサンクトペテルブルグ大学は、教員交流、博士号取得のための奨学金、冬季/夏季スクールの共同開催など、12の覚書に調印した。

同時に、テヘラン大学とHSE大学(モスクワ)は、学術交流、共同研究プロジェクト、共同出版に合意した。さらに、アラーメ・タバタバイ大学とロシアの大学は、短期コースや、教授と学生の移動、共同技術研究を約束する覚書に調印した。これらの正式な取り組みは、科学や、技術、イノベーションにおけるイランとロシアの大学間協力を監督するために発足した、事務局や共同委員会といった制度的枠組みによって強化された。

主要な学術指導パイプラインが断絶

イランの視点から見ると、これらの関係はモハンマド・メフディ・テヘランチ氏とアブドルハミド・ミノウシェール氏によって築かれた。テヘランチ氏はモスクワ物理工科大学で学んだ理論物理学者で、シャヒード・ベヘシュティー大学とイスラム・アザド大学の学長を務めた。

ロシアの学術界に深いルーツを持つ彼は、外国で研修を受けたイランの原子力研究者を何世代にもわたって採用して指導した。ミノウシェール氏はモスクワ大学で博士号を取得し、シャヒード・ベヘシュティー大学の原子力工学部を率いた。彼は、ロシアの原子炉物理学と燃料設計のカリキュラムをイランの大学に適応させる上で中心的な役割を果たした。

テヘランチ氏とミノウシェール氏はともに、ロシアの核・ミサイル科学教育システムとイランの拡大する制度的エコシステムとの生きたつながりを象徴していた。両者とも6月13日、 イスラエルによる組織的な空爆 で死亡した。彼らの死は、重要な指導のパイプラインを断ち切った。

彼らの不在は、個人のキャリアだけでなく、国境を越えた専門知識に大きく依存する原子炉物理学と濃縮科学の研究における組織的継続性をも崩壊させる。

コラボレーションへの予期せぬ影響

このような学問的支柱がなければ、大学院のパイプラインは頓挫し、イランの学生たちは指導を受けられず、ロシアの専門的なカリキュラムにアクセスできなくなる。さらに、共同プログラムも停滞している。大学間で締結された覚書やその他の協定は、現在、イラン国内で実施を推進する適任者を欠いている。

この崩壊は象徴的なものではない。イランとロシアが知識を共有し、専門家を養成し、ミサイルと核の分野で先進的な設計を適応させることを可能にしてきた制度的メカニズムそのものを解体するものである。

このようなシステムの中にいる科学者や学生にとって、この兆候は肝を冷やすものである。組織の威信は、もはや存在の消滅を防ぐ盾にはなりえず、国家主導の学問崩壊の集中砲火を防ぐ力もなくなっている。

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