防衛動向

フランス、核武装機配備に向けて17億ドルを投入し、戦略空軍基地の改修を開始

リュクスイユはフランスで4番目の核兵器を貯蔵可能な基地となるが、最も近代的な施設となる。

5月27日、フランス空軍のリュクスイユ・サン・ソヴァール空軍基地で、戦闘機「ミラージュ2000-5F」のコックピットに座るパイロット。欧州の安全保障に対する緊張の高まりを表すように、フランスは核武装機を運用するために17億ドルを投入して空軍基地の改修を開始した。[Jean-Christophe Verhaegen/AFP]
5月27日、フランス空軍のリュクスイユ・サン・ソヴァール空軍基地で、戦闘機「ミラージュ2000-5F」のコックピットに座るパイロット。欧州の安全保障に対する緊張の高まりを表すように、フランスは核武装機を運用するために17億ドルを投入して空軍基地の改修を開始した。[Jean-Christophe Verhaegen/AFP]

AFP通信 |

リュクスイユ=レ=バン(フランス) -- 欧州の安全保障に対する緊張の高まりを表すように、フランスは核武装機を運用できるよう、17億ドルを投入して、同国東部の辺境の丘陵地帯にある空軍基地の改修を開始した。

この作業には10年かかるが、2035年以降、リュクスイユ=サン=ソヴール基地は現在の2倍の規模となり、フランスのラファール戦闘機50機に搭載される次世代極超音速ミサイルを配備することになる。

エマニュエル・マクロン大統領は3月、アメリカのドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ戦争について話し合った日に、同基地が最新型戦闘機「ラファール」とフランスの核搭載空対地ミサイル「ASN4G」を配備する最初の基地になる、と同基地で発表した。

リュクスイユはフランスで4番目の核兵器を貯蔵可能な基地となるが、最も近代的な施設となる。

現在、同基地には、新規生産が終了した約20機のミラージュ2000が配備されている。

基地司令官のエマニュエル・ルー大佐によると、三角形の格納庫は1952年に建てられたものだという。ルー大佐は「よく使い込まれてきました」と付け加え、1962年にシャルル・ド・ゴール大統領がそこにいた写真を見たことがあると語った。「同じでしたよ」と冗談を交えて話した。

この格納庫ではラファールを収容できないため、解体されることになる。「基礎からすべて作り直さなければならない」と同大佐は語っている。

ラファールの重量はミラージュを上回るため、リュクスイユの滑走路を延長して、強化する必要がある。

核抑止力

核基地にはさらなる安全対策が施されるため、「最新の技術に対応するために、セキュリティ対策と全体的な設備基盤を強化する必要がある」とルー大佐は述べ、自身の仕事を「大聖堂の建設」に例えた。

「これから10年かけて、まだ存在しない航空機や核兵器、まだ学校に通っていない技術者で、フランスで最高の基地を完成させる」とルー大佐は語る。

リュクスイユは2029年から2032年まで閉鎖される。この間に、重要な工事と1機目のラファールの到着が予定されているためだ。

ラファールの乗員数が2名であることから、パイロット数は現在の4倍となる。新たな基地が正式に運用されるまでに、技術者数は現在の300人から1,000人に増員される予定だ。

「兵站が戦争を勝利に導く」とルー大佐は述べ、フライトの間隔を短縮するためのジェット機の準備におけるスピードの重要性を強調した。同大佐は、ラファールのエンジンは1時間、射出座席は15分で交換できると語る。

名前は明かせないが、同基地のパイロットによると、核兵器を搭載する準備はできているとのことだ。あるパイロットは、「この兵器は最後の手段だが、私たちは皆、愛する人や国を守るために使う準備ができているだろう」と述べている。

リュクスイユはドイツ、スイス、ルクセンブルク、ベルギーとの国境に近く、その位置に戦略性がうかがえる。

ロシアによるウクライナ侵攻が激化し、欧州諸国で懸念が高まっていることを受けて、マクロン大統領は、フランスが核武装機の配備の可能性について他の欧州諸国と話し合いを始める準備ができていることを明らかにした。

マクロン大統領は5月、テレビ番組のインタビューに対し、「今後数週間から数か月以内に、非常に具体的な方法で枠組みを定める」と語った。

ロシア側はすでに同大統領のコメントに反発している。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、「欧州大陸における核兵器の拡散は、欧州大陸に安全保障、予測可能性、安定性をもたらすものではない」と述べた。

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