国際問題

深刻化する人道危機に直面しているロシア占領下のオレシュキの住民

ロシア占領下のヘルソン州の都市では、基本的なサービスが制限されたままであり、ロシア当局が市民に対する規制を強化しているため、市民の生活はますます厳しくなっている。

2022年10月25日、ロシアが併合を主張するヘルソン市から避難した市民。旅客船でドニプロ川を渡り、隣接するオレシュキに到着した様子。[Stringer/AFP]
2022年10月25日、ロシアが併合を主張するヘルソン市から避難した市民。旅客船でドニプロ川を渡り、隣接するオレシュキに到着した様子。[Stringer/AFP]

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ロシア占領下のヘルソン州オレシュキの住民は、ウクライナへ対するロシアの全面侵攻から4年以上が経過した今でも、食料、水、電気、医療サービスの深刻な供給不足に苦しみ続けている。

この状況は、2023年のカホフカ・ダムの破壊による長期的な影響、長引く衝突、そして占領当局による規制によってさらに悪化している。

かつての住民は、日常生活が徐々に奪われていく様子を語っている。生活必需品を入手したり、街を離れようとしたりするだけでも、市民は深刻な危険に直面する可能性があるという。

現地の報告によると、汚染されてない水や、限られた電力すらも入手に毎日苦労しているという状況だ。多くの住民は井戸、発電機、ソーラーパネル、薪ストーブに頼っている。

2026年6月3日、ウクライナのヘルソンで、「レッド」ゾーンと示された区域を手押し車を押しながら通り抜ける男性。[Dmytro Smolienko/NurPhoto/AFP]
2026年6月3日、ウクライナのヘルソンで、「レッド」ゾーンと示された区域を手押し車を押しながら通り抜ける男性。[Dmytro Smolienko/NurPhoto/AFP]

食料の配給はますます少なくなっており、高齢者や移動が困難な人々は入手が難しい。

こうした状況のため、高齢者、障害者、定期的な医療処置を必要とする人々など、脆弱な立場にある人々が特に困難な境遇に置かれている。

ウクライナ当局は、オレシュキには現在約2,000人が残っていると推定している。侵攻前は約24,000人だった。

この危機には、ウクライナ南部の占領下にある前線地域全体に広く見られる状況が反映されている。つまり、インフラの破壊、ヘルソン州で確認された市民に対する5,000件以上のドローン攻撃、地雷の存在により、生活に必要なサービスの提供、人道支援物資の輸送、市民の避難が妨げられているのだ。

厳しく制限され続けているライフライン

かつての住民は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの取材に対し、オレシュキの公共インフラはほとんど機能していないと語っている。

電気やガスがまともに供給されていないため、住民はディーゼル発電機やソーラーパネル、薪ストーブに頼らざるを得ないという。

発電機用の燃料は次第に不足し、高騰している。

電力供給や通信環境が不十分であるため、住民が情報を入手したり、親族と連絡を取ったり、オレシュキから脱出する手配をしたりすることも困難になっているのだ。

水の確保も依然として切迫した課題である。

かつての住民によると、カホフカ・ダムの破壊以降、オレシュキでは水道水が不足しているため、人々は民間所有の井戸から水をくんでいるという。

一部の住民は、太陽光発電設備を利用してポンプや冷蔵庫を稼働させている。

食料の配給はほとんどなくなり、いつ届くかも予測できなくなっている。この状況は、食料安全保障の根幹をなす生産・貯蔵・輸送システムが、戦争により広範囲にわたって崩壊していることを物語っている

国連の報告によると、オレシュキに残っていた最後の食料品店は、供給品の不足により、1月に通常営業を停止したという。

それ以降、住民は保存食やわずかな民間からの食料供給に頼らざるを得なくなった。しかし、配給所まで自力で移動できない人々は、こうした供給を利用できない場合も多かった。

医療サービスもほとんど機能していない。

オレシュキ地区病院は、非常用発電機による電力で、限定的ながら活動を続けている。

住民は国連の監視機関に対し、救急車が家庭に対して出動しなくなり、医療支援は緊急の場合にのみ受けられるようになったと語っている。

他の病院への搬送が必要だった負傷者4人は、避難できずにいた。そのうち1人は、搬送を待っている間に死亡した。

抑圧によって日常が左右される

物質的危機に加え、ウクライナのロシアが占領する地域全域で行政上の支配が続いている。

国連の監視機関の記録によると、住民は占領地域で、ロシア国籍を取得し、ロシアの身分証明書を使用しなければ、雇用、福祉、およびその他の生活に必要なサービスを利用できないという圧力を受け続けているという。

こうした方針は、基本的なニーズを満たしたいが、ウクライナ人としてのアイデンティティも守りたい市民に、難しい選択を強いるものとなっている。

占領当局は、移動の自由、独立した情報へのアクセス、ウクライナへの支持表明も制限している。

オレシュキから脱出しようとする住民にとっての当面のリスクとして、ドローン攻撃、地雷、そして避難体制が整っていないことが特に深刻だ。

オレシュキへ通じる道路は危険な状態となっている。車両への攻撃により、食料の配給、医療関連の移送、民間主導の避難活動が妨げられている。

国連の報告によると、6月2日に、集団で食料や人道支援物資を輸送していた車両がオレシュキへ通じる道路で地雷に巻き込まれ、1人が死亡、3人が負傷したという。

ドローンの活動が頻繁に行われているため、一部の住民は長い距離を徒歩で移動せざるを得なくなっている。

市民のうち、高齢者、障害者、負傷者、病人は、避難の際に特に困難に直面している。

現時点では、支援を必要とする人々を対象とした避難体制は整っていないが、市民の脱出を可能にするため、地域的な停戦の可能性について協議が行われている。

物質的な困窮、行政上の圧力、前線での孤立が重なって、オレシュキでの生活環境はますます厳しくなり、生き延びることも苦労する状況だ。

残された住民には、食料、医薬品、そして生活に必要なサービスが確実に届く必要がある。そして避難を希望する人々のために、安全で自ら選択できる避難経路が確保されなければならない。

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