戦略的課題
横浜のAIの波:日本の浮体式グリーン電力ハブ
日本の横浜では、海上風力と海水冷却を利用する浮体式データセンターや、発電所のAIハブによる炭素削減など、技術革命が進行している。
![2024年1月15日、横浜の大さん橋の屋上エリアを歩く女性。[Philip Fong/AFP]](/gc7/images/2026/02/20/54657-afp__20240115__34f34b3__v1__highres__japanlifestyle-370_237.webp)
Global Watch発 |
日本第2の都市である横浜は、爆発的に増大するAI需要に対応しつつ脱炭素目標を守る次世代データセンターの構築を先導している。
2つの画期的なウォーターフロント計画――浮体式の沖合プラットフォームと発電所一体型施設――が、環境を損なうことなく都市がAIインフラを受け入れる方法を再定義している。
国連関係者と国際エネルギー機関の分析は、データセンターの電力需要が2030年までに急増する可能性があると警告しており、クリーン電力の調達がますます急務になっている。
「AIはエネルギーシステムの効率性、革新性、強靱性を高め得るが、同時にエネルギーを大量に消費する」と、国連事務総長アントニオ・グテーレスは2025年7月に述べた。「それを持続可能なものにしない限り、これは持続可能ではない。」
![2025年8月28日に撮影されたこの写真は、東京にあるAI技術企業Sakana AIの仮設オフィスに置かれたコーヒーマグを写している。[Richard A. Brooks/AFP]](/gc7/images/2026/02/20/54658-afp__20250910__738x6cr__v1__highres__japaneconomybusinesstechaisakana-370_237.webp)
「AIは今日のエネルギー分野における最大級のテーマの一つだが、これまで政策担当者や市場には、その広範な影響を十分に理解するための手段が欠けていた」と、国際エネルギー機関の事務局長ファティ・ビロルは2025年4月のプレスリリースで述べた。
「データセンターによる世界の電力需要は今後5年間で2倍以上に増加し、2030年までには現在の日本全体と同程度の電力を消費するようになる見込みだ」と彼は付け加えた。
AIが沖合へ進出
大さん橋に、25メートル×80メートルの浮体式データセンターが計画されている。
日本郵船、ユーラスエナジー、NTTファシリティーズ、横浜市によって開発されるこのはしけ状の構造物は、屋上の太陽光パネル、蓄電池、海水冷却を備え、完全に再生可能エネルギーで稼働する予定だ。
日本郵船イノベーション推進グループの大東鷹翔氏は、その利点を強調した。「沖合データセンターの主な利点は『コスト効率』と『スピード』です。…海運会社としての知見を生かし、冷却に海水を用いることで、従来のデータセンターと比べて運用コストを30〜40%削減できます。」
試験は2026年3月下旬に開始され、塩害への耐性、再生可能エネルギーの安定性、冷却性能が検証される予定だ。
成功すれば、余剰の風力発電電力を活用した本格的な沖合データセンターが2030年までに実現する可能性がある。
業界アナリストによれば、これは2050年までのカーボンニュートラルを掲げる日本のGX2040ビジョンとも合致している。電源の近くにサーバーを配置することで送電ロスを減らし、コストと排出量を削減できる。
AIが発電所と融合
一方、横浜港では、日本最大の火力発電事業者JERAが、低炭素運用に向けて市との覚書のもと、沿岸の発電所内にデータセンターを設置する計画を進めている。
電力を直接引き込むことで送電網の問題を回避し、建設期間を短縮できる。
この立地により、自動運転などのAIアプリケーションの低遅延を実現しつつ、住民への影響を抑えられる。
内陸部の不足のなか、ウォーターフロントの用地は電力・水・空間を確保できる。
冷却は最大の持続可能性上の課題であり、データセンターは膨大な電力と水を消費する。
横浜では海水や低用水システムの活用によりこれに対処しており、さらにカーボンニュートラルに向けたグリーンシップの取り組みも併せて実施されている。
横浜のこれらのプロジェクトは、AI需要と自然環境保護の両立を図る沿岸都市にとって拡張可能なモデルとなる。都市のウォーターフロントがグリーンなAIハブとして機能し得ることを日本は示しており、米国の専門家はこれを持続可能性における「工学的超大国」と評している。
これは、 AIと再生可能エネルギーの統合が将来のエネルギー強靱性の鍵となる世界的な潮流の中で、日本の立ち位置を示すものとなっている 。