国際問題

行動における二重基準:モスクワ、イランへの米軍攻撃を非難するや否や、キエフの民間人を攻撃

この攻撃を受けて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アメリカによるイランの核施設への空爆を非難したモスクワの偽善を名指しで批判した。

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、6月23日にキーウでの攻撃を受けて大きく損壊した集合住宅の現場で、ウクライナの救助隊が瓦礫を撤去しながら捜索活動を行っている。ロシアは一晩でウクライナに対して352機のドローンと16発のミサイルを発射し、首都キーウおよびその郊外で少なくとも7人が死亡した。[Genya Savilov/AFP通信]
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、6月23日にキーウでの攻撃を受けて大きく損壊した集合住宅の現場で、ウクライナの救助隊が瓦礫を撤去しながら捜索活動を行っている。ロシアは一晩でウクライナに対して352機のドローンと16発のミサイルを発射し、首都キーウおよびその郊外で少なくとも7人が死亡した。[Genya Savilov/AFP通信]

AFP通信およびGlobal Watch |

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、アメリカによるイランへの空爆を「根拠のないもの」「正当化できないもの」と非難したわずか数時間後、彼自身の軍はキーウに対して大規模な夜間攻撃を開始し、ドローンとミサイルでウクライナの首都を激しく攻撃した。これはここ数か月で最大級の攻撃の一つとなった。

6月23日、モスクワでイランのアッバース・アラグチ外相と会談した際、プーチン大統領はアメリカの行動を批判し、「イランに対するこの全くこの根拠のない侵略行為は、正当化できない」と述べた。

しかし、同じ朝に行われたロシアによるキーウへの同時攻撃については、一切言及しなかった。

「首都へのさらなる大規模攻撃。敵のドローンによる複数の波状攻撃の可能性がある」と、キーウ軍事行政官ティムール・トカチェンコ氏は、攻撃が始まった6月22日にテレグラムで述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナに対して352機の無人航空機(イラン製ドローンを含む)とミサイル16発を発射したと述べ、その中には北朝鮮がモスクワに提供した弾薬も含まれていると付け加えた。

「恐ろしい体験」

AFP通信の記者たちは、首都上空を飛ぶドローンの音や、夜通し続いた激しい攻撃の中で鳴り響く爆発音を聞いた。

キーウ在住のナタリア・マルシャフスカさんは、攻撃で眠れなかったとAFP通信に語った。彼女は、あるドローンの羽音が次第に大きくなり、やがて真上で聞こえるほどになったと、その時の様子を説明した。

「それが真上にいると気づいたんです。するとすぐに爆発が起きました -- ほんの数秒の出来事でした」と彼女は語った。

爆風で彼女は部屋の中を吹き飛ばされ、アパートの窓ガラスは粉々に砕け、すぐにあたり一面に煙が立ちこめたと、彼女は付け加えた。

「恐ろしい体験でした。」

ロシア軍は、ウクライナの軍事施設を攻撃するために精密兵器と無人航空機を使用したと発表し、「指定されたすべての目標は破壊された」と主張した。

この攻撃を受けて、ゼレンスキー大統領はモスクワの二枚舌を公然と非難した。

「[アメリカによる]イラン核施設への攻撃の後、モスクワは大騒ぎをし、ロシアの指導部は“ミサイルと爆弾による行動”を演技的に非難していた」と、ゼレンスキー大統領はXへの投稿で述べた。「しかし今日、ロシア軍がロシアとイラン製のシャヘドドローンやミサイルでキーウやその他の都市・地域の民間インフラを標的にした極めて冷酷な攻撃を行ったにもかかわらず、モスクワは沈黙している。」

ロシア、イランとの関係を称賛

キーウへの攻撃の前日、ロシア外務省はアメリカによるイランの核施設への空爆を激しく非難する声明を発表した。

「いかなる主張がなされようとも、主権国家の領土にミサイルや爆弾による攻撃を加えるという無責任な決定は、国際法、国連憲章、そして国連安全保障理事会の決議に対する重大な違反である」と、ロシア外務省は自らのウェブサイトに掲載した声明の中で述べた。

声明はさらに、アメリカの軍事行動を「地域および世界の安全を損なう危険なエスカレーション」だと表現した。

プーチン大統領とアラグチ氏の会談直前、クレムリン報道官ドミトリー・ペスコフもその見解に同調した。

「この地域では新たな緊張の激化が見られる。もちろん、我々はこれを非難し、この件について深い遺憾の意を表明する」と述べた。

ロシアが強い言葉で非難したにもかかわらず、プーチン大統領はテヘランに対して具体的な支援は示さなかった。「我々は仲介の申し出をしている」とペスコフ報道官は述べ、いかなる支援も「イランが何を必要としているかによる」と付け加えた。

アメリカによるイランへの空爆がモスクワとワシントンの関係に影響を及ぼすかどうか尋ねられると、ペスコフ報道官は「それは別の問題だ」と懸念を一蹴した。

プーチン大統領はイランとイスラエルの仲介役としての立場を取っているが、アメリカ政府関係者はその考えを退けている。6月23日の会談で、アラグチ外相はロシアの友好関係に対し感謝の意を示した。

「ロシアはテヘランにとってのパートナーであり、同志だ」とアラグチ外相は述べ、両国の「非常に緊密で長年にわたる関係」を称賛した。

プーチン大統領は、ロシアの支援がどのような形を取るのかについて明言せず、「我々は…イラン国民を支援するために努力している」と述べるに留まった。

イランのミサイルが発射されていない一方で、ウクライナの都市に落ち続けているのは、イランの設計を用いて製造されたロシアのドローンである。

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