防衛動向

ウクライナ戦争でイノベーションが加速する中、戦闘可能な軍用ロボットの開発を急ピッチで進めるフランス

ウクライナ戦争においてドローンが戦争の形態を根本から変えており、2021年から地上ロボットの使用を模索してきたフランス軍は、その進化を飛躍的に加速させている。

5月6日、パリ西部のベンヌにあるフランス国家憲兵隊の軍事訓練キャンプで開催された「CoHoMa Challenge」イベントにおいて、実験用の犬型ロボットが展示された。[Ludovic Marin/AFP]
5月6日、パリ西部のベンヌにあるフランス国家憲兵隊の軍事訓練キャンプで開催された「CoHoMa Challenge」イベントにおいて、実験用の犬型ロボットが展示された。[Ludovic Marin/AFP]

AFP通信 |

軍関係者、エンジニア、研究者、防衛関連企業が一堂に会した実験において、フランス軍は2040年までに戦闘可能なロボットを開発する予定であることが明らかとなった。

陸軍の未来戦闘担当司令官、ブルーノ・バラッツ将軍は「3年以内に相当に進化したものを完成させ、最初の地上ロボットを部隊に配備できる状態にしたい」と述べた。

最近、競技イベントが数週間にわたって行われたが、4年前に軍が2040年の目標を設定して以来、このような演習は3回目である。この演習はパリ西部の基地で行われ、脚、車輪、キャタピラを備えたロボットが、障害物を回避し、罠を避けながら、敵部隊に対抗しつつ陣地を保持する能力が試験された。

陸軍技術部門の責任者であるトニー・マフェイ将軍は、監視から地雷除去まで、ロボットは「すでに部隊の保護に非常に有用である」と、CoHoMa(人間・機械・コラボレーション)チャレンジにおいて述べた。

5月6日、パリ西部のベンヌにあるフランス国家憲兵隊の軍事訓練キャンプで開催された「CoHoMa Challenge」イベントにおいて、実験用のマシンガンロボットが展示された。[Ludovic Marin/AFP]
5月6日、パリ西部のベンヌにあるフランス国家憲兵隊の軍事訓練キャンプで開催された「CoHoMa Challenge」イベントにおいて、実験用のマシンガンロボットが展示された。[Ludovic Marin/AFP]

「今後は、ロボットが敵と接触した際に、より効果的であることを証明する必要がある」と彼は述べた。

「ロボットは戦闘を妨げるのではなく、支援すべきである」とマフェイは付け加え、ロボットを現場に展開する際に依然として存在する課題として、不整地での移動に関する問題を強調した。

参加者の一人であるバティスト・ルペレティエは、このような競技イベントは、「研究室を離れ、現実的なミッションに取り組む機会を与えてくれる」と述べた。

ウクライナで急成長するロボット工学

ウクライナ戦争において、より安価で大量に配備可能なドローンが戦争の形態を根本から変えつつある。フランス軍は、2021年から地上ロボットの使用を模索してきたが、ここに来てその進化を大幅に加速させている。

「ウクライナでは地上ロボット技術が急成長しているが、まだ複雑で未成熟なため、実用的な用途を模索することが重要である」と陸軍参謀総長ピエール・シル将軍は述べた。

一つの問題は、地上ロボットは空中ドローンによる誘導なしでは 効果的に活動できない点である.

フランスの防衛企業Thalesは、ドローンの発射台を装備し、障害物を偵察ながらルートを地図化するロボットを1台展示した。

軍当局は、過去の2回のCoHoMaチャレンジから一部の開発成果を既に反映させたが、今後数年間でさらに大きな変更が予想されると述べた。

しかし、最初のロボット運用はおそらく戦闘ではなく物流分野で、ドローン編隊やロボット式荷役用無人搬送車が装備品を運ぶ形となる可能性がある。

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