防衛動向

北朝鮮、中国国境近くに「未申告」のICBM基地:報道

北朝鮮・平安北道にあるこの施設には、核搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)とその発射装置が6基から9基収容されている可能性が高いと、ある研究で明らかになった。

2022年10月10日、ソウルの鉄道駅で、公表されていない場所で行われた北朝鮮人民軍戦術核運用部隊による北海道に向けたミサイル発射訓練の写真を映したニュース放送の前を通り過ぎる女性。[Anthony Wallace/AFP通信]
2022年10月10日、ソウルの鉄道駅で、公表されていない場所で行われた北朝鮮人民軍戦術核運用部隊による北海道に向けたミサイル発射訓練の写真を映したニュース放送の前を通り過ぎる女性。[Anthony Wallace/AFP通信]

AFP通信 |

新たな研究によると、北朝鮮は中国との国境付近に秘密の軍事基地を建設しており、そこには北朝鮮の最新の長距離弾道ミサイルが配備されている可能性があるという。

ワシントンに本部を置く戦略国際問題研究所(CSIS)が8月20日に発表した報告によると、未申告とされる新豊洞(シンプンドン)ミサイル運用基地は、中国国境から約27キロ離れた場所に位置している。

同研究によれば、平安北道にあるこの施設には、核搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)とその発射装置が6基から9基配備されている可能性が高いと指摘している。

報告書は、これらの兵器が東アジアおよびアメリカ本土に対する潜在的な核の脅威となり得ると述べている。

北朝鮮は2019年の米国との首脳会談が決裂して以来、核兵器開発計画を加速させており、金正恩総書記は最近、国際的に孤立する同国の核能力の「迅速な拡大」を求めた。

CSISが新豊洞に関する初の本格的な公開情報に基づく確認と位置づけたこの報告書は、この基地が「北朝鮮がこれまで一度も申告していない約15~20の弾道ミサイル基地や整備・支援施設、ミサイル貯蔵施設、弾頭貯蔵施設」の一つであると指摘している。

進化する弾道ミサイル戦略

同研究によれば、この施設は「これまで米朝間で行われた非核化交渉の対象となったことは知られていない」と指摘している。

CSISはアナリストの現時点での評価を踏まえ、発射装置とミサイルは危機や戦争時に基地を離れ、特殊部隊と合流した上で国内の別の地域から探知されにくい形で発射される可能性があると述べた。

報告書は、この基地を含む諸施設が、北朝鮮の進化しつつある弾道ミサイル戦略および拡大する戦略級の核抑止力・攻撃能力を構成する主要要素であると推定されると述べている。

2019年、ベトナム・ハノイで行われた金正恩総書記とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談は、制裁緩和と引き換えに平壌が何を譲歩するで双方が合意に至らず、決裂した。

それ以来、北朝鮮は繰り返し核兵器を決して放棄しないと主張し、自らを「不可逆的」な核保有国と宣言している。

また、ロシアによるウクライナ侵攻以降、平壌はモスクワとの関係を一段と接近させている。

韓国および西側の情報機関によれば、北朝鮮は2024年に1万人以上の兵士をロシアに派遣し、主にクルスク地域に送ったほか、砲弾やミサイル、長距離ロケットシステム携行したという。

トランプ氏は最近、ロシアとウクライナの指導者との注目の的となった会談を行い、紛争終結を目指して行動している。

ワシントンは、ロシアがウクライナとの戦争支援の見返りとして、先端的な宇宙・衛星技術支援を含む北朝鮮への支援を強化している証拠があると述べている。

専門家によれば、人工衛星打ち上げ用ロケットと大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、多くの基礎技術を共有していると指摘している。

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